税理ノート

法人税法における寄附金税制

法人税法における寄附金税制

法人税法における「寄附金」の定義は、第37条第7項において「寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与…をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする」と定められている。この定義は名目を問わずその範囲が広く、相手先も限定されていないため、金子宏教授が指摘するように「通常の意味における寄附金よりも広い概念である」と認識されている。基本的には反対給付のない金銭の給付等が寄附に該当すると考えられる。

法人税法では、この寄附金について、一定の方法により計算した損金算入限度額を超える部分を損金不算入とする旨を定めている。これは、損金算入限度額までは寄附金の額を損金算入できる規定であり、法人税法における寄附金税制の根幹をなすものである。損金算入に限度額を設ける理由について、金子宏教授は「多くの場合、法人の支出した寄附金のうちどれだけが費用の性質をもち、どれだけが利益処分の性質をもつかを客観的に判定することが困難であるため…法人税法は、行政的便宜ならびに公平の維持の観点から、統一的な損金算入限度額を設け、寄附金のうちその範囲内の金額は費用として損金算入を認め、それをこえる部分の金額は損金に算入しないこととしている」と述べている。

法人税法上の寄附金は、その寄附先や性質に応じて以下の7つに区分され、損金算入の扱いが異なる。国または地方公共団体に対する寄附金、および財務大臣が指定する指定寄附金は、原則としてその支出した全額が損金に算入される。一方、完全支配関係がある他の法人や国外関連者に対する寄附金は全額が損金不算入となる。一般の寄附金や特定公益増進法人に対する寄附金、特定公益信託に対する支出金については、それぞれ一定の損金算入限度額が設けられており、その範囲内で損金算入が認められる。特に特定公益増進法人への寄附金は、一般の寄附金とは別枠で特別損金算入限度額が適用される。

この制度設計は、法人の社会貢献活動を奨励しつつ、同時に利益処分の性質を持つ寄附金による過度な節税を防止するという、二つの目的を達成しようとするものである。

法人税法における寄附金税制は、その定義の広さと損金算入限度額の設定を通じて、企業の社会貢献活動を税制面から支援し、同時に過度な利益処分による課税回避を防ぐという重要な機能を果たしている。国や指定寄附金に対する全額損金算入の措置は、公益性の高い活動への資金提供を特に奨励する政策的意図の表れであると考えられる。

寄附市場が拡大し、企業の社会的責任(CSR)やSDGsへの貢献がますます重視される現代において、法人による公益活動への貢献は社会全体の持続可能性を高める上で不可欠である。法人税法における寄附金税制は、こうした社会の要請に応えるための重要なインセンティブとして機能している。今後も、社会情勢の変化や企業の社会貢献意欲の高まりに対応し、法人税法における寄附金税制がその機能が最大限に発揮されるよう、継続的な検討が求められるといえる。

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